
そんな方には山崎元著「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください」がおススメ。
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実は資産運用は「銀行員・証券マン」など、とにかく金融機関と距離を取ることが重要です。
なぜなら金融機関はノルマ達成のための営業を仕掛けてくるから。
この記事では、本書の要約及びおススメしている資産運用についてまとめました。
読み終わるころには、金融機関に騙されないどころか簡単な資産運用方法について知識を習得することができます。
本記事の信頼性
- 東大卒・外資系証券や保険12社を渡り歩いたお金のプロ「山崎元」著
- チャンネル登録者100万人超「中田敦彦youtube大学」でも紹介
では早速解説していきましょう!
タップできる目次
1.本書を一言で
3つの金融商品を、ネット証券で複利運用する。
これが本書の結論です。
補足すると3つの金融商品とは
- 変動金利型10年満期国債
- 上場インデックスファンド(TOPIX)
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
(商品名はSBI証券の場合)
この3商品を手数料の安いネット証券で購入し、収益が出ても引き出さず再投資(複利運用)することが本書では推薦されています。
実際に私も会社の年金制度(確定拠出年金)ではこの商品を上から「50%:25%:25%」ずつ購入しており、この経済環境下でも安定して運用ができています。
では少しずつふかぼりしていきましょう!
2.覚えておくべき3つの金融商品を解説
2-1.銀行より安全な預金先は「国債」
1点目は「国債」。

そんな声が聞こえそうですが、実は銀行より安全な預金先が「国債」です。その理由は
メリット
- 銀行より国の方が潰れる可能性が低い
- 国債の保有者はほとんどが日本国民
- 法律で0.05%以上の金利が約束されている
デメリット
- 最低1年は解約できない(引き出せない)
銀行はその逆です。銀行の良さはいつでもATMで引き出せる点ですね。その逆で銀行の預金金利は0.001%。愕然とします。
銀行もそれを認めていて横浜銀行のHPには「普通預金より高金利!信用度が高い個人向け国債」というページも用意されています。
これらの点から山崎氏は銀行には「生活に最低限必要なお金」を預け、残りは運用に回すことをおススメしています。
2-2.素人のベストアンサーは「インデックスファンド」

そんな方へ、本書では素人が手を出してよい金融商品として「インデックスファンド」を推薦しています。理由は
メリット
・手数料が安い点
・個別の株価に左右されにくい
・投資のプロより運用成績の平均が良い点
まず「インデックスファンド」とは投資信託の1つです。
投資信託とは、様々な株をひとまとめにした商品。個別の企業の株価に左右されないのがメリット。この投資信託には「アクティブ」と「インデックス」の2種類に分けられます。
アクティブファンド | 株や債券をプロが買って運用 |
インデックスファンド | 日経平均やダウ工業平均などニュースによく出る指標に連動し、機械的に買う商品 |
著者がインデックスファンドを勧める理由は
- 人ではなく機械が運用するため手数料が安い
- 過去の実績を見るとアクティブの平均成績がインデックスに勝つことがほぼない
信じられない話ですが、人が運用する方が手数料も高く、運用成績が悪いことが多いという点。
著者はこれを「運用業界の不都合な真実」と名称付けています。
知識やこだわりがあるなら別ですが、ほどほどのリスクで運用をしたいということであれば「インデックスファンド」の購入がおススメです。
3.増やしたいなら銀行に近づくな!ネット証券をおススメするワケ
資産運用はいかに手数料を減らせるかが勝負
手数料を抑えるなら「断然ネット証券!」がおススメされています。
ネット証券の最大のメリットは手数料が低いこと。SBI証券をはじめとした大手証券会社は、対面型ではないため手数料が低く抑えられています。
対して銀行のビジネスモデルは「対面型」。そして銀行員は年収の高い業種です。
東京商工リサーチ調べでは銀行員の平均年収は609万円。メガバンクであれば平均約800万円ほど。
その人件費は当然手数料に反映されています。
また金融機関は営業ノルマが課されています。そもそも近づかないのがベストなのです。
もちろん良識のある銀行員もたくさんいます。
しかし、そもそも人が販売している時点で「ネット証券には勝てない」のです。
これらの点から、本書では資産運用は「ネット証券」がおススメと書かれています。
4.人類最大の発明「複利」での運用
人類最大の発明「複利」。これはかの有名なアインシュタインの言葉です。
もちろん著者の山崎氏も「大切なこと」と前置きしたうえで、複利の重要性を説いています。
まず複利を理解するうえで、セットで話に出る単利も解説します。
単利 | 「預けた元本のみ」に利息がつく |
複利 | 「元本+利息」に利息がつく |
言葉だけだとイメージがつかないですよね。もし目標が年プラス5%だとします。
その場合100万円を20年間運用すると複利の方が65万円多くなります。仮に元手が1000万円なら650万円の差です。
1年後 | 2年後 | 3年後 | 20年後 | |
単利 | 5万円の収益(100万円×0.05) | 5万円の収益(100万円×0.05) | 5万円の収益(100万円×0.05) | 合計200万円(元本+利息) |
複利 | 5万円の収益(100万円×0.05) | 5.25万円の収益(105万円×0.05) | 5.76万円の収益(105.25万円×0.05) | 合計265万円(元本+利息) |
増えたら使ってしまいがちですが、複利の効果が大きいことが分かってもらえるはずです。
補足
資産運用には「72の法則」というものがあります。例えば「100万円を毎年5%で〇年後に200万円にしたい」という場合。72÷5で計算すると16になります。この結果から2倍にするには「16年かかる」ということが分かりますよね。便利な法則なので使ってみてください。
5.知らずに買うと損する制度
これまで手数料を抑えることが重要。そう紹介してきました。一方資産運用で避けられないものとして「税金」があります。
山崎氏は「NISA」と「確定拠出年金」制度を上手く使い、節税する方法を紹介してくれています。
5-1.税金のかからない「NISA」を活用する
有名な制度でNISA(ニーサ)という制度があります。
NISAとは1年間に120万円までの投資に関する利益が5年の間、非課税
日本に住んでいる20歳以上のひとなら利用できる制度です。
NISAを使わず利益が出た場合、利益の約20%(所得税+住民税)が税金となります。
せっかく手数料を抑えてもこれでは本末転倒。20%は手数料と比べ物になりませんよね。
預金を投資に回す国の施策の為優遇されているNISAですが、デメリットもあります。
それはNISA口座は1つの金融機関でしか作れない点。
失敗を避けるのであれば、手数料の面からSBI証券や、GMOインターネット証券、楽天証券などの大手ネット証券の活用がおススメです。
5-2.税金のかからない「確定拠出年金」を活用する
2つ目は「確定拠出年金制度」を上手く活用する方法。個人型は「iDeCo(イデコ)」と呼ばれ聞いたことがある人も多いはず。簡単に解説すると
- 企業年金は従来は会社がまとめて運用が主流
- ただ本業ではない運用は会社にとってもリスク
- そこで運用は会社ではなく個人でやるように
- 個人の運用結果が年金の額になる
こんな制度です。メリットは
メリット
- 毎月の掛金は所得控除
- 儲かった分も非課税
デメリットは年金なので60歳を過ぎてからしかおろせないという点。
私もそうですが、会社で確定拠出年金に入っている人は、掛金の額と運用方法が自分で決められるます。もし入社以来設定をしていない場合は、これを機に設定するのがおススメ。
会社で確定拠出年金に入っていない場合は「iDeCo」の利用も可能です。NISA口座と同じ大手ネット証券で簡単に開くことができます。
補足
どの本を読んでも「最善の運用方法」として紹介されるのが、確定拠出年金制度。入り口である「元手」にも出口である「利益」にも税金がかからない制度になっています。掛金は所得によって上限もあるため、私のような初心者にはトライしやすかったです。
6.結局いくら投資すべき?
- 当面の生活資金(3か月分の生活費)
- 国債などの安全資産
- リスクのあるインデックスファンド
山崎氏はこの3つに分類することを勧めています。
この3つの中で一番減る可能性が高いのは「インデックスファンド」です。ここに配分する金額は最悪3分の1になってもしょうがない。と思える金額が上限とのこと。
貯金が500万円の場合
- 50万円を生活費
- 250万円を国債
- 200万円をインデックス
本書ではこのようなモデルケースが紹介されています。
確定拠出年金の場合は、冒頭紹介した私の例も参考にしてみてください。
7.まとめ
では今回のまとめです。
- 3つの商品で資産運用
- 手数料の安いネット証券で運用
- 複利の効果を最大限活用
- NISAで節税も行う
- 確定拠出年金制度を活用する
山崎氏は著書の最後で「若い人は自分という大きな資本を持っている。人的資本を大きくするのは安全で効率的な投資」と締めくくっています。
「激動の時代」と言われることも多いですが、正しい知識を身に付け資産を増やしていきましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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